• 鈴木和人

岡アノンの鍵①

アノンは常に鍵を多数携帯している。

本人にもどれがなんの鍵だか把握できないくらいに。

ただ、押入れの鍵だけは忘れる事はない。その鍵は毎日使うものだし、アノンがもっとも大切にしているものの一つだ。この鍵なしにはアノンには平穏は訪れない。


家の近くは山々が立ち並び、窓からはうっすらと海が望める。

夏は虫の声に包まれ、冬には厳しい雪が降る。そして歩いて10分も立たないところにピートが通う河川敷がある。


アノンの職業は女戦士をやっている。

この山々の狩猟の民のリーダーであり、もっとも戦闘力の高い戦士として名を馳せている。

意外と思われるかもしれないが、アノンの戦闘力は全盛期の岡マサルにも匹敵するものだ。

岡マサルもまた、銀行員になる前は戦士をやっていた。


岡家は現在戦争をしている。岡家は元々狩猟民族で、この地域に長く存在する由緒正しい血統の一族である。

しかし最近になって隣の山への新興系狩猟民族の羽畑家が進攻してきた。

羽畑家の頭領、羽畑ケイヤは、圧倒的な知略を用いてあっという間に一山占拠した。羽畑家の目的は、生息地域の拡大というのもあるが、一番の狙いは「岡ピート」の確保だった。


羽畑家頭領の羽畑ケイヤは、岡ピートのことを「ロスト・レガシー」と呼んでおり、岡ピートには羽畑家にとってとても重要な人物なのだった。

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