• 鈴木和人

岡アノンの鍵②

羽畑家は非常に過激だし、とてつもない財力がある。

そして頭領のケイヤは槍術の達人だ。

13歳の頃には中国の四川省の槍術の大会で優勝したこともあるし、実際に戦地では数々の武功を挙げ、500人の兵士を束ねる少将であった。


強大な敵勢力にアノンはとても嫌気がさしていた。

彼女は本当に平穏な暮らしだけが欲しかった。

羽畑家とピートが彼女の精神を強く圧迫し続けていた。


ピートは昼、ずっと押入れに監禁されている。

アノンのその願いのためにピートはずっと監禁されている。

戦っているのは母だけじゃない、自分もずっと戦っていることを誰かに知ってもらいたかった。

しかし、父マサルにも、妹のミェーにもピートの存在は伏せられていたし、彼自身も二人を家族と思うことはなかなかに難しいことだった。


アノンにとってピートを監禁することは最初はとても気が重いことだった。

しかし、長く監禁していると罪悪感なんてものはなくなっていったし、それが日常になっていった、そうやって行くうちにピート自身もこれが当たり前で、父マサルが銀行員として働くように、妹ミェーが毎日学校へ通うのと同じように、当たり前の日常になっていったのは言うまでもない。

ピートはとても大人しい子供だったが、人間と触れ合ったことがある時点で、不思議に思うことや、疑問に思うこと、不満に思うこと、不安に思うことは明確だった。

母アノンももちろんそのことはわかっていたし、また、母がそう思っていることはピートにもわかっていた。

言ってしまえばそこに相互理解があったということではあるが、ある時、ピートの不満がアノンの願望を超えた。

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「自分に必要な時間に対しての体力は上昇している、いや、洗練されてきているな!」 と。 そしてこういう事になるんです。 「やりたくない事、やらなくなってきたな!」 と。

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