こんにちは。今日は何曜日ですか?
土曜日です。そうです。アベの日です。
アベのブログが読める日です。
今日はデザインの話題です。
デザイン。いいデザイン。
と聞いて、何を思い浮かべるでしょうか?
グッドデザイン賞ですよね。
そしてグッドデザイン賞と聞くと、ちょっと知っている人ならこれを思い浮かべます。
そう、キッコーマンの醤油差しです。
キッコーマンの公式ニュースリリースによると
1993(平成5)年 旧通商産業省より「グッドデザイン商品」に選定される(現在は公益財団法人日本デザイン振興会主催「グッドデザイン賞」)。
となっており、日常生活で使う物や商品に高度なデザインが浸透していった時代を象徴する素晴らしい作品なのがわかります。
このデザインを手掛けたのはGKインダストリアルデザイン研究所。
「店頭で売られている状態でそのまま食卓で使用できる」ことが画期的で、日本の食卓を変えたとも言われています。
ニュースリリースではさらに、
2005(平成17)年 ニューヨーク近代美術館(MoMA)の永久収蔵品に選定される。
としており、優秀なプロダクトデザインの重要性はアートに勝るとも劣らないことを物語っています。
しかし、ワタクシ思いますに、このデザインはもう古いです。
逆に、いつまでも販売されてていいのだろうか?とさえ感じます。
このデザインはロングライフデザインの象徴ともされ、長きにわたって愛され続けている物なのはわかります。
とはいえ時代は変わっていくんです。
特にここ数ヶ月で人々の衛生観念は一気に高いレベルまで上がっています。
そんな中、両サイドが注ぎ口になっており、液体の出る量を調節するにはどちらかの口を指で塞ぐ必要があるこのデザインは、グッドデザインと呼べるのでしょうか?
次に使う人が、同じ方を指で抑えるとは限らないです。
指で押さえられた方の注ぎ口から、醤油を注ぐかもしれません。
そして、そのまた次の人は、少なくとも一回は誰かの指が接触し、一度は醤油が通過した部分に指を当てて醤油を注ぎます。
その人は、自ずと醤油が付着したその指を、舐めるかもしれません。
こわ
そうなると、いつまでも「Gマーク」を掲げて堂々としていていいのか?と思うわけです。
私はこれを「コロナ禍」が世界を席巻する前から言ってました。
言っていただけですが。
キッコーマンさんがデザインの改良を全くしていないと言っているわけではありません。
新しい、空気に触れずに醤油を保管できるあのスクイーズ式ボトルのことも知っています。
機能もさることながら、前の画像の醤油差しのカーブを受け継いだデザインになっていて素敵ですよね。
気を取り直して
私が言いたいのは、時代の移り変わりによって「グッド」なデザインも共に変わっていくということです。
Gマークがついているから安心だ。というわけではないということです。
気をつけないと、表層の評価ばかり見て本質を見誤りますよ!
モンドセレクション最高金賞受賞!とか特に気をつけて!
あれ応募した商品のうち9割がなんらか受賞してるから!(笑)
ついでに
最後にグッドデザイン賞で困った話を。
今暮らしているところから10分ちょっと歩いたところに、とても綺麗な銭湯があるんです。
スーパー銭湯ではなく、銭湯。470円で入れるやつです。
すっごく洗練されてて、雰囲気もとても良いし、綺麗なんです。
でも、私はゆっくりリラックスして入浴することができませんでした。
通常の銭湯に比べたらずっと過ごしやすい、余裕のある作りのいい銭湯のはずなのに。
そうなんです。グッドデザイン賞受賞してるんです。
受付のところに、あるんです。盾みたいなのが。
この銭湯が、どういう理由で受賞したのかはわかりません。
何かサービス面とか、街に与えた影響とか、この銭湯の事業としてのデザインに優れた点があるのかもしれません。
しかし、私みたいなグッドデザイン警察 兼 銭湯愛好家がいくと、いろんなことが目についてたまりません。
照明のバランスが悪く、暗くてつまづきそうになるとか...
シャワーブースの背面に浴槽があるので、シャワーの水が浴槽まで飛んでくる...とか
あの盾さえ見なければ、気にならなかっただろうになあ、
と、思うのでした。
それではまた水曜日に、お会いしましょう。
アベでした。
新中野製作所
インフォグラフィクス、デジタルファブリケーション
安倍大智
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