私だ。
みなさんスーパーカミオカンデって知ってますか。
名付け親に感謝すら覚える秀逸なネーミングですが、それがなんなのか知らない人は多いと思います。
素粒子にまつわるこの観測装置はその存在自体が世界的権威といえよう。スーパーカミオカンデは世界最大の水チェレンコフ宇宙素粒子観測装置で、小柴昌俊先生のノーベル物理学賞を支えた「カミオカンデ」の、グレードアップ版です。といえば凄さがわかるでしょうか。わからないよ。
そう、現状この伝説級の"バケツ"の知名度は高くない。この状況はどう考えても社会とあらゆる人類にとって良くないので、しかたないから私が説明しようとおもいます。心して読むといい。
公式サイトを参考にしていく。
スーパーカミオカンデは岐阜県飛騨市の神岡鉱山という山の中にある。山の中のしかも地下1000mの位置にある。地下1000mにあるどんなものなのか、簡単に言えばバケツのようなもので、ありえないサイズのバケツに、水ってそんなにあったの?ってくらいの量の水が入ってるもの。
それがスーパーカミオカンデ。
バケツは直径40m × 高さ40mくらいの円筒形。世界最大のピザが直径40mなので、世界最大のピザを40mの高さになるまで重ねたくらいのサイズです。大きいです。
ピザ1枚の重さが4500キロなので相当な重さになりますね...カミオカンデおそるべし。
そんなサイズのバケツに、水が入ってます。タプタプにはいっています。5万トン。5万トン?想像つかないと思いますが半端ないですよ5万トンは。例えば世界最大のピザは5万人前とされています。ピザを食べにきた人が1人1トンの水を与えられると考えてください。多すぎるよ!1トンの水は1000リットルなので、牛乳パック1000本分の水です。水の話を牛乳の入れ物でするな!とにかくピザ1切れに対して水 牛乳パック1000本分は多いですよね。ほらね、多いでしょ?
それの、5万倍な。
それの5万倍の水が、入ってる。入ってる、バケツ。それがスーパーカミオカンデ。
すごいだろ。
水全部入れるのに2ヶ月かかるんだぞ。
しかもただの水じゃない。「超純水」(Ultra Pure Water)。水以外の不純物が全っ然入ってない水。ほぼ水のみの水。モノタロウで2リットル800円。5万トンの水は5000万リットル。だから200億円ですね。モノタロウで買ったら。あってますか?笑
さらに、バケツもただのバケツじゃない。サイズからしてただのバケツではないんだが、内側が黄金色に輝きまくってる。黄金が塗ってあるの?違います。内壁に隙間なく黄金色のあるものが取り付けてある。その名も、"光電子増倍管"。
この電球みたいなものはセンサーになってる。光を感知するセンサーみたいなものだ。超弱い光でもこれが増幅してくれて、観測できる。サイズとしては大人が腕を回して抱えられるくらいだ。これが壁中に隙間なく、11200個取り付けられてる。これがすごい。死ぬ前に一度は入ってみたいと思うゆえんがこれです。スーパーカミオカンデ内部の写真はたくさんあるみたいですが、中でもすごかったのが写真家のアンドレアス・グルスキーによる作品ですね。これをみたことがある人は結構いるのではないでしょうか。
グルスキーの真骨頂とも思える最高の写真作品の一つではないでしょうか。グルスキーの特徴である、「画面内の全てのオブジェクトにピントがあっている」状態のパワーが惜しみなく発揮されている素晴らしい作品。もちろん、グルスキーの他の写真もすごすごなのでぜひご覧ください。
というわけで、すごいでしょう?スーパーカミオカンデ。すごいんですよ。
宇宙から飛んでくる、通常あらゆるものを透過してしまう「ニュートリノ」という素粒子を観測するための装置です。そのニュートリノも、たまーーに電子などにぶつかって光を放つことがあります。そのたまーーにぶつかるのをとらえるために、5万トンの水と、11200個の超高感度の眼で待ち構えているのです。
そんなスーパーカミオカンデ、さらなるグレードアップが予定されてます。
その名も
ハイパーカミオカンデ
ウヒョー!
・26万トンの超純水
・強くなったセンサー約47000本
ですって。ピザで例えるのが大変だ。
ではまた!
新中野製作所
安倍大智
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