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  • 執筆者の写真安倍大智

ミュージカルが苦手な筆者がミュージカルを諦めたくない文章

こんにちは、安倍です。


先日、ミュージカルを観に行ってきました。

普段の安倍を知っている人はその時点で驚いているのではないでしょうか。


ミュージカルぎらいといえばタモリと安倍、というのは有名な話です。


そんな私ですが、友人からミュージカルのチケットをいただき、観に行ってきました。

私がミュージカルが苦手なことはご存知の友人ですが、だからこそということで巡ってきたチャンスでした。

私としても、ミュージカルが苦手だと公言はしているものの、ミュージカルのことをよく知っているかと言われればそうでもなく、よく知りたいと思っていたのでとても良い機会です。

しかも、評判のいい舞台の、それも何回も再演しているものとのことで、有名な俳優も出てるし、以前観た映画で最高だなと思った俳優もメインで出演するもの。

少し迷った上で、ぜひ、ということで譲ってもらいました。


苦手だというならもっと根拠立てて話したいし、もう5〜6年はミュージカルを観ていなかったので、今観たらまた違った気持ちになるかもしれない。ミュージカルのことが少しでも好きになれるのではないかと。

そもそも幼少期にたくさん観たミュージカルに違和感を感じていて、それが原因だとしたら、今なら違った受け取り方ができるかもしれませんから。


その個人的な感想をここに書こうと思っていますが、全く考えがまとまらないので、まとまらないままにしてしまっています。

それに、なるべくないようにしてはいますが、どこかにミュージカルへの拒否感が滲んでしまっているのではないかと不安です。ミュージカル文化を卑下するつもりはありません。不快に思うかもしれません。ご注意・ご容赦いただければと思います。


結論としては、

・ミュージカル好きの人が楽しめる理由はなんとなくわかったこと

・本場ブロードウェイの作品が観たいと思えたこと

が収穫でした。


ミュージカルすげえ!とはまだ思えませんでしたが、他の観客の反応や会場の雰囲気で、どういうところに楽しむポイントがあるのかがなんとなく掴めたと思います。

クライマックスのシーンで力を込めて歌い上げたり、複数の俳優がハーモニーを繰り広げたりすると会場が盛り上がり、賞賛の拍手は巻き起こりました。

それから、メインの俳優それぞれに見せ場のようなものが用意されていて、その俳優が好きであれば、拍手したくなるだろうなと思いました。

事実、映画で素晴らしかった、ちょっとファンの俳優の見せ場ではちょっとうるっときました。


そこで、もっとすごい水準のブロードウェイとかのミュージカルなら音楽や演技やセリフももっとすごくて圧倒されるんだろうなと想像することができたという感じです。


はっきり言ってミュージカルというものに絶望していたところからするとだいぶ進歩したのではないでしょうか。

チケットをくれた友人にはBIG感謝です。



心構えの話


ミュージカルを観るそもそもの心構えとして、私は演劇を観る感じで挑んでしまっていることに気づきました。

そしてミュージカルと演劇は全然違うということに気づけました。

演劇を観る上で、リアリティのある演技や日常に近いような発声やセリフに魅力を感じがちな安倍にとしては、その心構えでミュージカル観に行ったらもう全然あかんやろというのは、考えてみれば自明のことでした。

また、ミュージカルを演劇と音楽の間でいえば音楽寄りの芸術とすると、音楽のテイストが私の感動する部類のものであれば、もっともっと楽しめたはずです。


でもそれならコンサート行った方がいいってなる?


いや、違いますよね。音楽がすごい楽しめることで、その上で、演技や演出がブーストになったり物語が楽しめたりするに違いない。


でも苦手なテイストの音楽でもなくなかった?


確かに。音楽は、苦手も何も、ニュートラルなものでした。ただ、歌詞がやっぱりクサすぎた。


極端にいうと、「もう諦めよう、僕には未来がない」という趣旨の歌の歌詞がそのまま「もう諦めよう、僕には未来がない」みたいな。


それから「今こそその時、明日への扉を開こう」みたいな2億回聞いたことあるような言葉遣いなどもやはり気になってしまいます。


歌詞が湛える詩情を汲み取りたい身としては、厳しい。


いやとにかく、歌詞は置いといて、音楽や歌唱が直感的な感動をもたらしてくれたら十分楽しめて、没入して演技や他のことも楽しく見ることができるはずなのです。


それが演劇を観る感覚で臨んでしまっては、身振りはベタベタだし、セリフはクサいし…?

何か喋るたびに駆け寄ったり歩き回ったり、手を広げたり頭を抱えたり、去っていく相手に背を向けたまま呼び止めてみたり、、、してしまい。。。


ダメかもしれない。どうしても自分が楽しめる想像ができなくなってきた。


それがミュージカルのスタイルだってことはわかったつもり、わかりたい。

映画ですごい良かったあの俳優も、映画での緻密な演技とはかけ離れていたのはミュージカルだからだと思う。

主演俳優については、ちょっと慌てるそぶりがすごい自然で上手かったし、セリフを噛んだ時のリカバーの仕方もうっかり気づかないくらい自然だった。この主演俳優のでてる映画を観てみたいと思った。


でもそのうまさをずっとはやらない。それはおそらくミュージカルっぽくないからだと思う。ミュージカル独特のスタイルに合わせる必要があるんだと思う。

そして、私はその独特のスタイルの楽しみ方をまだ知らないのでしょう。


でも、素晴らしい音楽、素晴らしい歌唱があったとして、歌わないシーンで今回私が観たような演技やセリフが繰り広げられた時、本当に私は楽しめるのでしょうか。

もっと高い水準のものを観たとして、もっとうまいベタベタの演技って、なんなんでしょうか?

ベタベタじゃなくなるというわけではない…はず。今回のが日本で高く評価されているから。

見方を切り替える必要があるのだとは思うけど、切り替えたらこのなんともいえない恥ずかしさを拭い去れるの?


ミュージカル独特の大げさな演技を楽しむって、どういう状態なのでしょうか。歌うシーンの歌唱力とか感情表現の豊かさを感じ取るのは想像がつきますが、喋るシーンのミュージカル流の奥義…どういう状態なんだろう。迫力?今度はもっと舞台に近いところで観るべき?


安倍がミュージカル鑑賞に向いていない、で片付けたくはない。

楽しみ方をまだ知らないんだと信じたい。


とにかくすごいのを観てみないとわかりません。でも次はどんなミュージカルをみればいいのでしょう。教えてください。

日本にブロードウェイのミュージカルが来たら観にいくってことでいいのかな?


ミュージカルという興行


今回ミュージカルを観たことで、興行としての違和感も感じました。

今回の観客や観劇後の感想の呟きをに聞き耳を立てていると、ほとんどが個別の俳優についての感想でした。「〇〇さん、今日もかわいかった」「昨日の〇〇のツイート見てたから泣けた」「〇〇くんみれたから幸」。

某ジュニアも数名出演しており、彼らのバンド演奏シーンが何度も繰り返されました。個人的な尺度ですが、何度もやるようなレベルではないと思いました。

劇団や座組みが作り出す独自のスタイルや、演出・脚本による全体を貫く作品としての評価ではなく、各俳優の個別の評価が重視されているように思いました。平たくいえばファンサービスの場だなと思いました。そういうものでしょうか?


そうやって集客をするのは他の興行もそうだし、しょうがないとも思います。

でも、集客に重点を置きすぎている感じがしました。

その中でいかに作品としての魅力を作り出すかという観点でいえば、舞台美術・舞台構造は特色とまで言いませんが工夫されていたと思います。とはいえ、美術、舞台構造、音楽、脚本、衣装、照明、音響などなどに目を見張るものがない、観たことあるような、聴いたことあるようなものばかりなのは、俳優や所属事務所への配慮から、そこにお金や労力を回せないからかもしれません。

そうやって納得したくなるような感じがしました。

なので、今度見るときは、その作品そのもののファンがいるような作品を見るべきなのかな、と思いました。




新中野製作所

安倍大智


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